だから、笑わないで。
昼休み。
美亜が俺を呼びに来る。
「レンーっ!お昼たーべよ!」
クラスメイトの視線は一斉に美亜に注がれた。
派手な金髪、明るい性格。可愛い容姿。
美亜は学校のマドンナといってもいい。
「うん」
俺は弁当をもって美亜のところへいった。
「じゃーいこっか!」
おれたちは体育館裏へむかう。
いつもそこで食べているからだ。
廊下を通る俺たちを見る連中。
そいつらは美亜を見ているのだろう。
「………レンくんかっこいいからみんなみてる…」
美亜が頬をふくらませ、俺の腕に絡み付いた。
「はは…みんな美亜みてるんじゃないの?美亜、モテるんでしょ?」
「……えー、モテるっていうのがどんなんなのかがイマイチわかんない」
美亜は髪をいじりながら答えた。
「うーん…俺も」
「うわっ、キモッ!あいつ、あたし苦手なんだよねー」
美亜はいかにもオタクそうな女の子を指差し、その子に聞こえるように言った。
「こっち見んなっつの!ブス!」
美亜がそう言った瞬間、俺のなかでなにかが切れた。