だから、笑わないで。
「憂っ、どーしたのそれっ」
ダボダボのカーディガンをみたレンは嬉しそうに憂に聞いた。
俺はアイスクリームを食べにいくことを伝えようと、レンに近寄った。
「リンくんが貸してくれたの…っ」
「リンが?」
「お前カーデ持ってないから」
「リン!びびった」
レンは突然横に言った俺に驚いているようだったけど、笑った。
「レン、今日駅前のアイスクリーム屋に行きたいんだけど」
俺が言った言葉にレンはびっくりしていた。
それもそうだろう。
俺はアイスクリームはあまり食べないから。
家にアイスクリームがあるときはぜんぶレンにあげてるし。
「アイスクリーム?」
レンは俺をきょとんと見つめたあと、笑顔でいった。
「うん!いいよ!」
その笑顔にほっとしながら、席につく。
杏子と憂はその場で何かを話していた。