だから、笑わないで。



「ばっか!くつもなんも脱いでねーんだぞ!」
「あははっ、いいじゃん俺の貸すよ!」
「そーいう問題じゃねー!」
「そうそう」



お前はそうでなくちゃな、そういいながらリンは嬉しそうにわらった。



「元気のないレンはレンじゃないから」



リンは髪から滴る水を拭いながらいった。




どうして、どうして。
俺のまわりは優しいやつばっかなんだ。



リン、どうしてお前は俺に優しくするんだ。
どうして憂を奪った俺を許すんだ。
どうしてお前も憂も杏子も…
俺を許すんだよ。




「………レン…?」




どうして、なんで。
こんな醜い俺をゆるさないでくれ。





「おい!どうしたんだよ!」




突然別れを告げたにも関わらず、俺をせめない憂。
じぶんがあんなに壊れても、俺をせめようとはいっさいしない。


リンにも憂にも優しい杏子。
普通、好きな人が親友を好きなら優しくできないはずなのに。


そして…俺の弟リン。





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