だから、笑わないで。
―第二章―憂side



「それ、どーしたの?」


ダボダボのカーディガンをみた杏子は、あたしのところへ寄ってきた。


「リンくんが貸してくれたの…!」


あたしがそう言うと、杏子は力のない声でそっか、と言った。


運命の歯車がくるいはじめた、17歳の春。




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