だから、笑わないで。
そこへリンたちも登校した。
レンの姿には気付いていないようだ。
今日も仲良く三人で来ている。
「あはは……でもそれって…」
「それでさぁー…」
「杏子、今日英語って…」
様々な声が聞こえるが、レンはそれを
気にせずようにしてその場を去った。
リンだけはレンの姿に気付いていた。
だが、あえてそれには触れず無視をした。
憂がパニックを起こすかもしれないからだ。
「じゃあ、また帰りね」
「ばいばい」
三人はそれぞれの教室へ散った。
憂のクラスは一限目、体育だった。
いそいで体操着に着替え、グラウンドへ出る。
となりのクラスと合同だった。
憂は無意識に探していた。
レンの姿を。
一際目立つ集団に、彼はいた。
明るいいろの髪。
屈託のない笑顔。
そんなレンの姿にやはり憂の胸は高鳴った。