だから、笑わないで。



憂はそれを使わず綺麗にたたむと、ポケットへしまう。
教室にタオルがあるからだ。



「めーぐー」
「なーにー」
「ココ、わかんない…」



憂は英語の参考書をみせながらいった。
三年のこの時期、受験勉強地獄だった。
めぐは英語が得意だった。
英語は学年でも常にトップクラス。
クラストップは当たり前だった。



「あぁ、ここ難しいよね~ん、ちょっとまってね…あったあったこれ」



めぐはカバンから別の参考書を取り出すと、憂に渡した。



「これね、あたしが使ってたやつだけどすっごいわかりやすいよ!」



ハイ、といって憂にわたすめぐ。
開くとたくさんの書き込みがしてあった。
赤ペンでわからないとこは先生の説明をすべて書き込んである。





< 155 / 194 >

この作品をシェア

pagetop