だから、笑わないで。
憂は帰り道、その出来事を杏子とリンに話した。
「ユメ?」
「うん、なんだっけ?」
「え、憂のユメは憂が知ってるんじゃないの」
憂はやはり一年のときに思っていた夢がわからなかった。
その日の夕食。
憂の母が聞いた。
「憂、大学はどうするの?」
ハンバークを一口サイズに切りながら憂の母はきく。
「ん~、一応K大目指してるよ」
ハンバークを口に運びながら憂はいった。
「え?K大学?」
「うん」
「なんでK大学?」
「総合学科あるから」
「え?総合学科に行くの?ユメはもういいの?」
「あたしの、ユメって…何?」
「………あなたは………なんでもない。総合学科がいいなら頑張ってK大学目指しなさい。ごちそうさま」
憂の母は何も言わず食器をさげた。
憂はやはりモヤモヤしたままだった。