だから、笑わないで。
はなれたくない。
いまだってこんなに抱きしめたい。
でも…
「………憂…」
「美亜さんのこと、好きになったならそう言ってくれれば…よかったの…嘘なんて…」
「………なあ憂は…自分たちいがいのことが、みえてたか?」
「……え…?」
「俺たちは…俺たちの恋は。まわりのことが見えてなかった。見えすぎてなかったよ」
憂は涙を流して俺をキッと睨んだ。
「………あたしは…確かにみえてなかったかもしれない。まわりのささえがないといまのあたしはいない。でも…レンくんはどうしてなんの相談もなしに一人で決めちゃうの?!どうして頼らないの?!それがいちばんいい方法だったの ?」
憂が怒っている。
俺のため?
「……これだけ一緒にいたのに…わかんないよ…」
憂はそれをさいごに何も言わなくなった。
俺はただ、かける言葉を探してた。
憂の涙を拭えない。
拭ってやることが、俺にはもうできない。
「……憂…」
「………ごめんなさい…ほんとは…レンくん悪くない…ごめんなさい…!」
「……憂…!」
憂をパニックにさせたのは、この俺だ。
りゆうもつげずに、別れたから。
でも言うわけにはいかないんだ。