だから、笑わないで。
こんなおもいをするのは俺ひとりでいい。
お前はなにも悪くないんだ。
「……憂…学校行こ?」
「……っ…ごめん…今日は…もう行かない…」
「憂…!」
憂は目元を隠しながら、くるりとむきを変える。
なにもできない俺は唇を噛み締め、そのすがたをみていた。
せめて…せめて家に入るまで、見守るくらい、いいだろ?
「………憂?」
ふらっとしたあと憂は倒れた。
しばらく動けなかった俺。
はっと我にかえって走った。
「憂!!どうしたんだ!くるしいのか? !」
俺は憂を抱き抱える。
憂はくるしそうに肩で息をしていた。
「…っ……っ…!」
「過呼吸か…?!くそ、どーすれば…」
俺はカバンにあったビニール袋を憂の口元へ持っていった。
しばらくすると憂は楽になったようで寝てしまった。