だから、笑わないで。


どこに行けばいい?



俺はひたすら歩いた。
着信をしらせる音楽が鳴り響く。
だけど俺はそれを無視し、歩き続けた。










どのくらい歩いたのか。
ひとりうみにきていた。





前、リンと一緒にきた海だった。
リン…元気にしてんのかな。
最近まともにしゃべってないな。



杏子をさいごにみたのは泣き顔だったな。
俺はひとをくるしめることしかできないのか。




「さみーな…」




ひとりつぶやいたつもりだった。
だから驚いたんだ。
返事が返ってきたから。





「ほんとだよ」






振り返った先にはリンがいた。





「リン…」

「偶然。俺も最近ここにくるんだ」

「………そうか…」

「…………レン………」





リンは真剣な瞳になって俺をみた。



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