だから、笑わないで。


何いってんだよ、リン。
お前は俺の、自慢の弟だよ。








「………何いってんだよ」

「……そんだけ。俺もう帰る」

「………待てよリン」







呼んでもリンは振り返らなかった。
俺は呆然と立ち尽くす。
リンは何にくるしんでんのかわからない。

俺は本当に兄失格だな。





リンの悲しそうなかおをみるのは久しぶりだ。


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