だから、笑わないで。



俺は黙ってラップをとり、ハンバーグと、味噌汁をレンジであっためる。



茶碗にご飯をもって冷蔵庫から卵をとりだし、ご飯にかけた。
レンジがとまるまえに箸とお茶を準備して、レンジがとまってからいただきますをした。





湯気がでているハンバーグ。
ひとくちなかにいれると家庭の味がする。
こんなに幸せなことだったんだ。
ご飯が食べられること。
母さんがいること。




「…母さん、ありがとう」




でもやっぱり母さんにはなにもはなせないよ。
リンがはなしてないのに、俺がはなせるわけないんだ。





ご飯を一気にかきこみ、ハンバーグもぺろりと平らげた。
茶碗を洗い、二階へと上がる。



部屋に入るとベッドのうえにダイブした。





「………俺、みんなに心配かけてんなあ」





改めて感じたことだった。


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