だから、笑わないで。
「カレンはきのうも遅かったみたいじゃない。夜ご飯は食べてあったからよかったけど…どうしたの?」
「………んー、思春期?」
俺は朝食を食べながら適当に答えた。
「え、今さら?ふふっ」
「なわけないか」
母さんが笑ったから、俺も笑って答えた。
「カリン、明るくなったわね」
「そう?そんなことないと思うけど」
「明るくなったわ!」
母さんがあまりにも嬉しそうにいうから、俺はうんとしかいえなかった。
「もうこんな時間?仕事行ってくるわね!お弁当そこにおいてあるから!」
「わかったー」
レンの時間に余裕がないとこは母さんに似たのかな。
バタバタと母さんは出ていった。
しばらくすると髪を拭きながらレンが入ってくる。
「………よお」
少し気まずそうにレンは俺に言う。
そんなレンに俺は笑ってしまった。
「ははっ…何照れてんだよ」
「なっ…照れねーよ!俺の朝飯は?!」
「そこにあるよ」
「いただきます!」
レンは顔を赤くしながら食べ始めた。