だから、笑わないで。



「カレンはきのうも遅かったみたいじゃない。夜ご飯は食べてあったからよかったけど…どうしたの?」

「………んー、思春期?」




俺は朝食を食べながら適当に答えた。




「え、今さら?ふふっ」

「なわけないか」





母さんが笑ったから、俺も笑って答えた。




「カリン、明るくなったわね」

「そう?そんなことないと思うけど」

「明るくなったわ!」




母さんがあまりにも嬉しそうにいうから、俺はうんとしかいえなかった。





「もうこんな時間?仕事行ってくるわね!お弁当そこにおいてあるから!」

「わかったー」





レンの時間に余裕がないとこは母さんに似たのかな。
バタバタと母さんは出ていった。
しばらくすると髪を拭きながらレンが入ってくる。




「………よお」





少し気まずそうにレンは俺に言う。
そんなレンに俺は笑ってしまった。




「ははっ…何照れてんだよ」

「なっ…照れねーよ!俺の朝飯は?!」

「そこにあるよ」

「いただきます!」




レンは顔を赤くしながら食べ始めた。


< 178 / 194 >

この作品をシェア

pagetop