だから、笑わないで。
リンくんが変わったのは、初めて雪が降った日。
レンくんと付き合いはじめて、一週間がたった頃だった。
あたしはいつも通り、普通にふるまっていた。
『リーンくんっ!帰ろ!』
放課後、リンくんに声をかけた。
いつも三人で一緒に帰っていたから。
マフラーを巻いて、カバンを持って、そとに出たリンくんを追いかける形で声をかけた。
『………憂』
振り返ったリンくんの顔は凍ったように無表情だった。
『………リンくん…?』
白い息をはきながらあたしはリンくんを見つめたけど、リンくんはあたしをみてくれなかった。