だから、笑わないで。




ザッザッザッと歩きながら、三人はずっと無言で歩いた。



『………あ』


突然リンくんはそう呟き、空を見上げた。


『………雪…』



あたしとレンくんも空を見上げた。



『……雪だぁ…』



あたしが言うと、フッと笑いながらリンくんは言った。



『………あのさ……別にしよっか』
『………え…っ』
『……行きと帰り……別にしよっか…』
『…………な…んで……?』
『………気持ちの整理……ごめんね』
『…ずっと…友達でしょ?』



あたしの言葉を聞いたリンくんは笑顔で言った。


『…………当たり前だよ!』



その笑顔をみたのが、最後だった。
リンくんは、ほんとうの笑顔で笑わなくなってしまったー。





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