だから、笑わないで。



シャツの裾をつかみながら憂はリンを見上げる。



「……………うん」
「ねっ?だから行こうよ」
「………………………うん」



リンは渋々といったかんじで旅行を了承した。


「じゃーさっ!」


レンは早速地図を出しながらいきたいところに印をつけはじめた。
杏子と憂もそこに加わる。


リンはそれをみて、静かに教室を出た。


ベンチで中庭の池をみながら、ゆったりするのがリンは好きだった。
中庭のベンチは幽霊伝説があるからか、誰も近付かなかったため、誰もいない、絶好のサボりスポットだ。


教室をでると、真っ直ぐそこへ向かい、ベンチに腰を下ろした。




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