だから、笑わないで。
だいぶ考え事をしていたみたいで、リンが風呂を上がると、8時すぎだった。
1時間以上も入ってしまっていたらしい。
急いで部屋に戻ると、仲居さんが料理を運んでいるところだった。
「リン!どこにいったかと、心配してたんだぞ!」
「…………うん」
テーブルの前に座るとおいそうな料理に目を奪われた。
レンは嬉しそうにワイングラスにワインを注いだ。
「……………俺たちまだ未成年なんだけど」
「まあまあいーじゃん!今日くらい!」
「…………いつものんでるくせに」
「はいこれ、もて!」
レンはリンに無理矢理ワイングラスを持たせると、ダボダボとワインを注いだ。
半ば自暴自棄になっていたリンはワインを一気に飲み干した。
「やるぅ~リン珍しいね~」
「………………」
リンは無言のまま料理に手をつけはじめた。
「憂たちものむ?」
「あたしたちはいいよ…」
「あ、わたしはちょっとちょうだい」
「はい。うめー」
「ほんとだ。このワイン美味しいわ。いただきまーす」
「い…いただきます…ち、ちょっとリンくん大丈夫なの?」
ぱくぱくとテーブルの上の料理をたいらげるリンをみながら心配そうに憂は言った。
「んー、酔ってんじゃね?いただきます!ん!うめー!」
「このワインとよくあうね、この料理」
レンと杏子はワインをのみ、料理を食べ、満足そうだった。