だから、笑わないで。
―第四章― 杏子side
「おいっ、リン!なんでそんなこと言うんだよ!!」
レンくんの怒鳴り声が聞こえてくる。
それは、わたしが朝学校にきたときにはもう始まっていた。
「おいっ、リン!リン、待て!リンっ」
「……………うるせーよ…」
そう言ってリンくんは出ていってしまった。
「レンくん……おはよう」
「あ……杏子おはよう」
「何があったの?」
わたしはカバンをおきながら聞いた。
レンくんはずいぶんと動揺しながら一気にいった。
「そ、それがさ、俺たち一緒に登校してるじゃん。で、俺今日ちょっとねぼうして…そんでそしたら憂に距離おこうっていったらしくて…」
よほど動揺しているのか、言葉がおかしい。
「……えっと…つまり……レンくんがねぼうしてリンくんと憂がふたりになったときに距離おこうっていったの?」
「うんうん!そうなんだよ」
なるほど。
リンくんはつらかったのか。
「それで憂は?」
「泣きながらどっかいったから俺、今から探してくる」
「じゃあ、あたしはリンくんを探してくるね」
「おう…ごめんな…よろしく」
「はーい!」
レンくんとわたしは一緒に教室をでて、別方向に走った。
そしてわたしはいつもの場所へ向かう。
やっぱりそこにリンくんがいた。