だから、笑わないで。



「ホラ!目はれちゃってるよ!そんなんで一限でるの?」
「……無理…」
「保健室いこ!」



わたしたちは一限を出ずに、保健室に向かった。
保健室には誰もいなかった。
憂を寝かせ、保冷剤を目に当てる。
憂は泣きつかれてそのまま眠ってしまった。



「…………ふー………嫌われちゃった…か……」



違うよ、憂。
逆なんだよ。
リンくんは憂が好きで好きで好きすぎて、距離をおこうっていったんだよ。


そうしないと、憂とレンくんを傷つけてしまうってわかっていたから。


リンくんと仲良くしたいなんてそれは憂のわがまま。
憂がじぶんで気付いて、どちらかを選ぶしかない。
どっちかを失うことになるけれど、答えは決まっているもんね……



「………ん….?明日って……」




わたしはカレンダーをみながらふと、思う。



「………明日で三年か……」



明日は憂とレンくんが付き合いはじめて三十六回目の記念日。








明日、運命が大きく変わることを、誰も知らないでいた。







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