だから、笑わないで。
一限がおわるとリンはすぐに姿を消したため、見失ってしまった。
これじゃ話すに話せない。
それは毎時間同じで、休み時間になるたびリンは姿を消した。
同時に杏子も。
やっと下校時刻になり、リンを捕まえた。
「リン!」
「………なんだよ…」
リンはうっとうしそうに振り向く。
「ちょっと話したいことが……」
「……………でも今日は憂とふたりで帰るんでしょ」
「…………そうだけどー…」
「………はなしなら家で聞くから」
リンは俺の腕をすりぬけ、杏子と一緒に帰っていった。
俺は掃除当番だった憂を待って手をつないで校門をくぐった。
「…………とゆーことで!家かえったらはなしすんだ~」
「そっかぁ……ごめんね…」
「なんで憂が謝るの?悪いのはリン!」
「……ん……ありがとう…」