だから、笑わないで。
「………うん、そうだね。あたしも頑張るから!」
「ごめんな、憂」
「ううん、誰も悪くないよ!」
「………ありがと、憂」
そう言いながら俺は憂を抱きしめた。
「……………レンくん??」
「三年目記念日おめでとう」
「…………レンくん…おめでとう」
「いつもいつもありがとう。感謝してる」
俺は普段は言えないようなことを言おうと思った。
「憂がいるからいつも俺でいられるんだ」
「……レンくん………」
「ガキんときから憂とずっといたから…当たり前になってたけど…当たり前じゃないんだよな。ありがとう、憂。大好きだよ」
「………っ……ふえ……」
そう言うと憂は泣き出した。
言葉にならない声で何かを伝えようとしている。
俺はまた軽くキスをして、耳元でささやいた。
「……………愛してる……」
そして、左手をとると憂の薬指にあらかじめ買っておいたペアリングをはめた。