だから、笑わないで。
憂はびっくりして左手の薬指を見つめている。
「……レンくん…これ…?」
「……………三年目記念日に…かったんだ……恥ずかしかったけど」
俺が選んだリングは憂のはピンクゴールドのアクアマリンをあしらったリング。
俺はブルーのものだった。
シンプルで人気と言っていたものだ。
「………っ……こんな…の……もらっちゃって…いー……の…」
「………俺……ずっと憂と一緒にいたい……憂…俺と……」
俺は泣きながらうつむく憂の顔を手で包み、見つめあった。
「…………え……?」
「………二十歳になったら……俺と結婚してください」
「…………………………」
一気に言った。
緊張で喉がカラカラだった。
人の気配がしたけど、そんなのお構いなしにいってやった。
憂からの返事はない。
心配になって憂をのぞきこむと、ぼたぼたと更に涙をこぼしていた。