だから、笑わないで。
今日は何度かレンをかわしてきた俺だったけど、最後の最後で捕まってしまった。
「リン!」
ちょっと怒った声とともに腕をつかまれる。
「………なんだよ…」
はあっとため息をつきながら振り向く。
はやく帰りたいのに。
憂とレンの邪魔したくないし。
レンははなしあいたい、と言ってきた。
家で聞く、と適当にあしらったあと、杏子とともに教室をでた。
俺たちは飲み物を買い、杏子を送るために電車に乗った。
駅を降り、近くの公園に入る。
「…………」
「…………」
「………もうすぐ春だねえ」
「…………そうだね」
憂とであって14年。
俺はなにか変わっただろうか?
なにか成長できたのだろうか。
なにも成長できていない。
こんな気持ち、あってはならないのに―…