だから、笑わないで。



リンは距離を置いてる理由を聞こうとするが、レンにうまくかわされてしまう。
リンは苛立ったのかレンの腕をつかんだ。



「なにがあったんだよ」



真剣な顔で聞くリンにレンは言った。



「….…リンには関係ねぇじゃん。お前だって杏子となにがあった?」
「!」
「………リンだって……俺になにも教えてくれねーじゃん」



悲しそうに言うレンにリンは顔を歪めた。


レンにいってしまいたい。
すべて。
大切なレンだからこそ、すべてを知ってほしい。

でもそういうわけにはいかないんだ。
本当に大切だからこそー…
言うわけにはいかない。




「…………なんもないよ……杏子とは」
「……………」
「レン、俺はレンが大切。お前のこと嫌ったことなんて一度もない」



リンがそう言うと、レンは驚いたように顔をあげた。




「……いまの俺はこんなことしかできないけど…色々頭が追いつかないだけ。俺はいつだって、レンのこと好き。それだけは勘違いしないでほしー…」



リンがいいおえるまえにレンは涙を流していた。



「………な……っ……レン…?!」
「……俺……!…リンに嫌われたと思ってた…」



レンは笑顔をみせてそう言った。
そんな笑顔にリンはホッとする。




「……レン……ごめん……憂にも悪いことしてると思ってる…けどあとすこしだから」
「おう!はやく学校いこーぜ!」
「………うん」



リンはわかっていた。
あとすこしで決着がつくわけない。
リンは着々と離れる準備を進めていった。






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