だから、笑わないで。



「……憂…?…どした…?」


俺は憂のとなりに立って、話しかけた。



「………リンくん…!…ううん…っ…なんでもないの」



憂はむりやり笑顔を俺に向けた。
むりをする憂を見ると、かなしくなる。

だから俺はおもむろに言った。


「………駅前の…」
「……え…?」
「……駅前の…アイスクリーム、美味しいって有名らしいよ…今日、いかない?」


俺が言うと、

「……!……行きたい…っ」


ぱっと嬉しそうになって憂は言った。


「………うん。レンにも言っとく…憂?」


憂の表情が明るくなって、少し安心した俺は席に戻るとき憂とすれ違ったため、憂の頭をぽんぽんっと撫でて、席についた。


そんな俺を憂は見ていた。




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