だから、笑わないで。
杏子だと思い、杏子を探したら杏子も体育はサボっているようだった。
「………………………」
真剣な眼差し。
追う瞳。
気付いた。
レンは気付いた。
でもレンは確信がもてなかった。
まさか、まさか、という思いが強かった。
でもそう思えばすべて納得がいく。
避けた理由。笑わないリン。
杏子といなくなるリン。
記念日の日、人の気配がした。
あれがリンたちだったとしたら?
笑わなくなったのは付き合いだしてから。
杏子はすべてをしっている?
リンを異常にがばう杏子。
恋心からだと思っていたが、リンの事情をすべてしっていたとしたら…
………………!
レンのなかのすべての点と点が結び付く。
そうか。
リンは―…………
憂が好きだったのか。