だから、笑わないで。
産まれた病院。
幼稚園小学校中学校。
歩いた道。
憂に気持ちを伝えた公園。
はじめて遊んだ遊園地。
よく行ったゲーセン。
散々まわると携帯の裏に貼ったプリクラを剥がした。
財布のなかに残っていた憂とのプリクラすべてを取り出すと、ライターで火をつける。
家に戻ると、憂との思いでの品は全て段ボールに綺麗に並べ、しっかりふたをするとクローゼットの奥へしまいこんだ。
写真も四人や杏子、リンと写っているものだけをのこし、憂と二人でとった写真もしまった。
お揃いでつけたおまもりも外す。
憂からもらったものもすべてしまった。
部屋を見渡すとがらんとして片付いた。
俺は今さら憂の思い出がいっぱいだったんだなって思った。
一通り掃除をおえると、ベッドにたおれこんで眠った。