だから、笑わないで。
次の日目覚めるとすぐにシャワーをあびて朝食を食べた。
リンが目覚める前に俺は家を出た。
憂に連絡もしずに、一人で登校する。
教室にはまだだれもいない。
俺は一人の教室に腰をおろした。
ここでいろんなことがあった。
でも、すべていい思い出だ。
俺はみんな、リンも杏子も憂も…
同じくらい大好きだ。
それは、嘘じゃないから。
俺はそうおもってひじをつき、したをむいて目を閉じた。
「レン」
静かな教室に響いた声はまぎれもないリンの声だった。
「…………リン?」
「………なんかあった?」
「べつになんもないよ」
「………そう。ならいいけど」
リンは俺を鋭く見据えると、ため息をついて席についた。
「…………リン……」
「ん?」
俺は輪の背後にたって聞く。
「…………リンは…俺のこと、恨んでるか?」
そうゆっくり、聞いた。