だから、笑わないで。
時刻も遅くなり、あの公園へ寄った。
永遠の約束をして、ペアリングを贈った、あの公園。
おなじばしょに俺たちは腰をおろした。
「………憂?」
「んー?」
可愛らしい笑顔で振り向いた憂。
その笑顔をみると、苦しくなった。
決心が鈍らないうちにはやく言わなければ。
「別れよう」
俺は静かにでもたしかに言った。
「………え……?」
驚いた顔の憂の髪を、乾いた風が通っていく。
この公園ってこんな静かだったかな?
「…―俺、憂のことがずっと好きでさ。中学んとき、同じ気持ちだよって言ってくれて本当に嬉しかった。大げさじゃなくて、泣くほど、死ぬほど嬉しかった」
「……………」
憂からの返事はない。
言いわけだとおもっているのだろう。
俺はかまわずつづける。
「きのう、思い出の場所たくさんいってきたんだ。そこには必ず憂がいた。俺の人生は憂がずっといたんだなってちょっと嬉しかったよ」
俺はそこで笑顔をみせた。
憂の笑顔をみると、決心がゆらぐため、憂の顔はみない。