だから、笑わないで。
ホームールームがおわって出ていく担任にリンは声をかけた。
「………先生。憂とレンどうかしたんですか?」
「おお、笑原か。いや、ふたりとも連絡がないんだが何かしらないか?」
担任の言葉にリンはひどくおどろいた。
レンは連絡なしなんてもちろん、学校を休むことがないからだ。
同じく憂も休むことはあっても毎回きちんと連絡をいれていた。
「連絡がない?」
「ああ…家にも携帯にもかけてるんだが出ないんだ」
「……そうですか…俺からも連絡してみます…すみません」
「助かるよ。すまんが頼むな」
担任はそう言うと忙しそうにでていった。
リンは早速携帯を取りだし、まずはレンに電話をかける。
『プルルルル、プルルルル』
「………………」
『プツッ…』
「もしもし、れ―…」
『おかけになった電話はお客様の都合により、出られません。留守番電話局サービスに―…』
リンはききおえるまえに電話を切った。
こんなにあせるなんて自分らしくないとも思ったが、なぜか嫌な予感がする。
続いて憂にも電話をかけてみたが同じアナウンスが流れるだけだった。