だから、笑わないで。
杏子に事情をはなし、杏子からもかけてもらったがやはり電話にはでない。
ふたりは学校を抜け出し、憂とレンを探すことにした。
ゲーセン、公園、雑貨屋…
心当たりはすべて探したがみつからない。
「―…………」
「…はあ…はあ…っ」
「……………杏子、大丈夫……?」
肩で息をしながら、リンは杏子に声をかけた。
杏子は頷くだけで精一杯だった。
「…………っ……ほんとに……どこいっちゃったんだろ…」
杏子は蚊の鳴くような声で呟く。
リンも不安そうだった。