だから、笑わないで。
ふたりはそれからも一時間ほど探したが見つからなかった。
さすがにこのままサボり続けてはまずいだろう。
携帯は着信履歴が学校からでうまっていく。
仕方なくリンと杏子は一度学校に戻り、授業を受けた。
昼休みになるとリンは連れの誘いを断ってひとりで屋上にいった。
リンはあまり食べないため、大抵パンで昼食をすませる。
購買でかったアイスコーヒーと焼きそばパンをもって屋上に出た。
アイスコーヒーを一口飲み、焼きそばパンを頬張る。
アイスコーヒーをいくら飲んでも、焼きそばパンをいくら食べても、リンには味が感じられなかった。
「………やっぱり」
「!」
「リンくん、悩むと屋上にくるクセあるよね」
「…………杏子……」
リンの横に腰をおろしながら杏子はいった。