だから、笑わないで。



杏子はペットボトルのお茶を飲んだ。



「あー!またリンくん、こんなのばっか食べて!こんなんじゃ栄養つかないよ!ほら、わたしのお弁当あげるから!」



杏子は焼きそばパンの袋をみると、弁当箱を差し出していった。



「………杏子こんだけ食べんのによく太らないよね…」
「なにいってんの?!これくらいふつうだよ?!」
「普通じゃないって」



リンは弁当箱のふたをあけながらクスクスと笑った。



「いただきます。杏子はなに食べんの?」
「え~、どーしよー」
「…………一緒に食べよっか……杏子半分じゃ足りないよね…あ、焼きそばパン、食べかけだけど食べる?」




はしをもちながら、リンは食べかけの焼きそばパンを差し出す。




「……え……いいの…?」
「? うん。食べかけでよければ」
「……ありがとう…!」



ふたりは一緒にいただきますをして、食べ始めた。



結局杏子によってすべての弁当を食べさせられたリンは、食べ終わった頃にはお腹がパンパンで動けなかった。





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