だから、笑わないで。




そんなリンの様子をみた憂の母親は気を使って部屋まであげてくれた。

リンは憂の部屋の前にたち、ノックをする。



トントン。



「…………」
「………憂?リンだけど」



リンが言うとしばらくしてか細い声で



「…………リンくん……?」



という憂の声が聞こえた。



「…………うん……どうしたの、憂…」
「……………」
「…………っ……憂………?」



リンはしばらくこえをかけてみたが憂はへんじをしない。
こまりはてていると中から嗚咽が聞こえる。



「…………憂…っ…?」
「………っく……ひっく…」
「……憂……どうしたの…泣いてんの」



リンはドアを開けようとするが鍵がかかっていて開かない。
段々憂の声は大きくなって、息が荒くなってくる。


「…………あ……っ……たし…一人で拭かないと…涙……っ…」
「憂!」
「……やっ…あああ…!!」
「憂!!」



ガチャガチャとノブを回すががっちりと閉じていてピクリとも動かない。
リンは覚悟を決め、ドアを思い切り蹴った。
ドアは壊れてしまったがかまわず憂に駆け寄るリン。




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