だから、笑わないで。




憂は床に倒れていた。
髪はボサボサで服装はパジャマのままだった。
瞳は涙でぐちゃぐちゃだ。



「憂!おい!憂!!」
「………れんくん…れんくん…」



リンはパジャマ姿のままの憂を抱えると、うわ言のようにレンの名前を繰り返す。


「れ…んく…」


そうつぶやくと憂の意識はプツリと途絶えた。



「……憂…?…憂…!」



目をつぶったまま開かない憂にリンは真っ青になり、憂の母親を呼ぶ。



「おばさん!おばさん!!」



憂の母親によって救急車が呼ばれ、憂は病院に運ばれた―――






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