だから、笑わないで。
「…ハイ!お茶はいったよ~」
それでも杏子は笑顔でおぼんに乗った紅茶とケーキを配った。
「わ~、杏子ありがとう~」
「杏子ありがと」
三人で仲良くケーキを食べて、リンと杏子は憂の母親にあいにいった。
退院の予定をきくためだった。
待ち合い室に行くと、憂の母親をみつけた。
リンは前にたって、軽くおじきする。
「……あ、おばさん」
「あ、お久しぶりです」
「あら!リンくん…それに杏子ちゃん…だったわよね?毎日毎日ありがとうね」
憂の母親は花びんを洗いおわったところだった。
三人は椅子に座りながらはなす。
「……あ、これ…憂にも渡したんで、お家で食べてください」
杏子はべつのケーキの箱を渡した。