そして優しい~番外編~
先輩が、眉間にシワを寄せた。
あっ、聞こえたんだ!
「ごめんなさい、なんでもありません! 気にしないで下さい!」
私のバカバカバカ!!!
数秒前の自分の口にチャックをつけてしまいたい。
優しい先輩のことだから、そんな言葉聞いたら、本当の気持ちを言えなくなってしまうかもしれない。
「大丈夫です! 私、ちゃんと分かってますから!」
「分かってる?」
私の言葉に、先輩は渋い表情のまま訊き返してきた。