君が恋に落ちるまで。
「 ・・・・・辛いね? 」
「 ・・・・・・ッうぅ 」
「 俺も、・・・辛いよ 」
”なんでかな”と笑う悠也さんは
きっと結婚するはずだった彼女の
ことを想っているんだと思っていた。
チクリ、と痛んだ胸を押さえながら
悠也さんのキスに応えて、
「 ・・・・・悠也さん・・・ッ 」
”離さないで”としがみつけば
悠也さんは苦笑して、
「 ・・・・・残酷だな 」
”離さないよ”ともう一度キスをして、
信号が変わるまでの僅かな時間の間に
あたし達は何度もキスを交わした。