君が恋に落ちるまで。




見た目はただの水。
飲めば、それが酒だと
誰もが分かるだろうが、
見ているだけでは、分からない。




見ているだけで、
よかったのに。




「 何で連れて帰ったんだろうな 」


「 それは、直感だろ 」


「 ・・・直感、ね 」




触れなければ、彼女をこんなに
愛しく感じることもなかっただろう。




透き通った肌に触れて、
キスをして、視線を交えて、




溺れるように、仕向けたのは俺なはずだ。
忘れられないようにいくつも痕を残して
”またね”なんて、分かりやすい言葉を
彼女に言って。









「 ・・・・・・・好きだ 」






会いたい。触れたい。
俺だけのものにしたい。






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