君が恋に落ちるまで。
”・・・・・残酷だな”
誰も居ない部屋の中で
やっと落ち着きを取り戻した
あたしは、思い出していた。
あの時の、悠也さんの表情を。
確かに笑っているはずなのに
どこか苦しげで、悲しげで、
どれだけ思い返してもあたしは
ただ”泣いていただけ”で。
分からなくて、玄関先に
座り込んでいた。
「 ・・・・な、 」
なんで、あたしは
悠也さんを想って泣いているんだろう。
何で、慧の前では泣かないのに。
何で、何で・・・・・