君が恋に落ちるまで。
あたしにも親はいた。
通帳を見てそう思う。
「 高校に上がってすぐに
初めて人を好きになって、
初めて人と付き合って、
その二年間すごく幸せでした 」
あたしはあの人達とは違う。
真っ直ぐに慧だけを見ていた。
「 クリスマスプレゼントを買いに行って
慧と、彼女さんに偶然会って、
あたしは”元カノ”だって言われて
もうぐちゃぐちゃで、やけになって
あのバーに行ったんです 」
否定したいけどできない。
慧もあの人達と一緒だった。
そして、あたしも。
「 流されたんじゃないんです 」
「 ・・・・え? 」
「 バカみたいに慧だけが好きで、
”あの時”だって頭の中には
慧しかいなかったんです。
だからあの後、すごく後悔したんです 」