君が恋に落ちるまで。




「 ・・・もしもし・・ 」




彼女の表情で相手は分かった。
微かに震える体が寒いだけじゃ
ないことも。




「 なんでっ・・・ 」




俺を気にしながら声を張って
そしてその返答に口を噤んだ。
携帯を強く握る手は震えて
彼女が、席を立った。










──────────ガタッ





「 ・・・えっ・・ 」





部屋を出て行こうとする
彼女の腕を掴んで引き寄せ、
そして、彼女の手から携帯を
取り上げる。







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