君が恋に落ちるまで。
細い身体が震えている。
出会ってまだ間もないのに
彼女を抱きしめて、キスを
するのは何度目なんだろう。
バーで酔い潰れた彼女は
慧くんが好きだと言った。
あれが本当に嫉妬かは分からない。
だけど、慧くんにイラつき
彼女を抱いた後は後悔より
優越感の方が大きかった。
なんて意地の悪い男なんだろう、と
自分に呆れながら、
俺の頭の中はあれからずっと
彼女でいっぱいだ。
「 ・・・・・好きだよ 」
ずるい、と分かっていながらも
感情が溢れ出てきて、止まらなかった。