君が恋に落ちるまで。
「 瑞穂! 」
「 ん、なに? 」
帰り際、玄関で呼び止められて
ローファーを持ったまま
振り返った。
「 大丈夫なの? 」
「 大丈夫なの、って
なにが・・・? 」
人とあまり関わらないあたしを
唯一心配してくれる友達。
一年からずっとクラスが一緒で
慧とのことを詳しく知っているのも
彼女、加奈[カナ]くらいだ。
「 なにがって、顔色。
相変わらず悪いじゃん 」
「 ・・・そう?でもちゃんと
寝てるし食べてるよ 」
あたしの頬に触れた手は
温かかった。
「 ・・・・・・ッ 」
「 ・・・瑞穂 」
あぁ、だめだ。
四六時中ケリをつけること
ばかり考えているせいか
変な緊張でおかしくなりそう。