君が恋に落ちるまで。
人付き合いは面倒だから、と
人から遠ざかっていたあたしに
声をかけてきたのは加奈。
冷たくしても、離れないで
居てくれた。
それでも全てを知ればきっと
離れていくだろう、と何も
話さないで、
今の今まで、やってきた。
「 そんな顔して、ケリなんて
つけられるわけないじゃん 」
慧はあたしを止めなかった。
ただ、あたしを見ているだけ。
「 ・・・・話なら、今度にして 」
黙り込んだあたしを見て、
加奈が慧にそう言った。
そのままあたしは玄関を出て
加奈は少し怒ったように
あたしの数歩前を歩いていた。