君が恋に落ちるまで。




「 ・・・悠也さんの、話です 」




震える彼女の唇が開いて、
涙で濡れた瞳が俺を見上げた。




「 ・・・それは、気になるね 」




可愛い。




頬にキスを落とすと
彼女は途端に真っ赤になって、




「 あたし、ケリをつけようと思って
  それで奏多さんに相談しようと・・・ 」


「 相談? 」


「 ・・・する前に色々言われちゃって
  できなかったんですけどね・・・ 」




奏多じゃないが、こんな感じだったのか、と
至近距離で話していて思った。




彼女は綺麗だ。
だけど大人びた容姿とは裏腹に
中身は少し子どもで、こうして
触れるだけで真っ赤になるところは
本当に可愛い。






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