君が恋に落ちるまで。




離れていたとはいえ、
彼にはもう”彼女”がいるのに。




「 ・・・で、どうしたんだよ? 」




握り締めたココアの缶は熱くて、
だけど冷えた空気には丁度よくも
感じられた。




ベンチに座る彼、・・・慧の前に立って
あたしは落としていた視線を
慧に向けた。




「 ・・・別れてないよね、あたし達 」


「 ・・・あぁ 」


「 ちゃんとまだ、言ってないよね 」




お互いの気持ちも曖昧で、
関係も曖昧。




夢見た初恋はピンク色だった。
だけど少し違って、辛くて、
だけどそれも恋なんだよ、って




慧が、教えてくれた。






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