君が恋に落ちるまで。
「 ・・・・・ッちが、 」
「 お前は悪くない 」
違う。
「 泣いてるのは分かってたよ。
けどどうすればいいか全然
分かんなかった 」
「 そんなこと・・・・ッ 」
どうして、慧が自分を責めるの?
あたしがちゃんと現実を見て、
慧と向き合えていたら
きっとこんなことにはならなかった。
「 ”あの時”、お前も俺と同じ
気持ちだったのかって思って
やり直せるかもって思った 」
「 え・・・? 」
「 ただのすれ違いなら、
大丈夫だと思った 」
”甘かったな”と笑いながら
強くあたしを抱きしめて、
「 ・・・・・・・泣かせてごめんな 」
掠れた声が、公園に響き渡った。