君が恋に落ちるまで。
「 行って来いよ、M公園 」
「 ・・・・・行けるわけないだろ 」
静まり返った店内に響く
奏多の笑い声は耳障りだ。
もう、会わない。
バーのドアを開けてそう言えば
奏多は吹き出して、
「 いや、それは無理だって 」
そう言って、俺の頭を叩いた。
”早く入れ”と俺を睨んで
いつもの席に座れば、
出てきたのはスプモーニ。
「 違うだろ 」
「 何が? 」
「 これは・・・彼女の・・・ 」
「 っていうか俺、未成年に
酒出しちゃった 」
グラスを差し出したまま
笑い出した奏多はどうしても
コレを俺に飲ませたいらしく
溜息を零し、甘いカクテルを
一気に喉の奥へと流し込んだ。