君が恋に落ちるまで。
前髪をかき上げて、
溜息を零すと、
「 大人んなれよ、悠也 」
バシッ、と背中を叩かれて
背中を押さえながら
奏多を睨んだ。
「 嫉妬でどうにかなりそうなんだろ?
慧くんに”奪った”って言っておいて
なんでぶち壊しに行かねーんだよ 」
”ばかじゃないのか”
奏多は俺を見て、そう言って笑った。
「 やるだけやった方が楽だろ 」
早く行け、と再度背中を叩かれて
俺はゆっくり立ち上がった。